The 13th Tipping Point
地球温暖化にまつわる12の臨界点と、それを食い止めるひとつの方法
文:ジュリア・ウィッティ【Julia Whitty】
イラストレーション:進藤恵子【Keiko Shindo】
近年、地球温暖化による壊滅的な自然災害は拡大する一方。それを顕著に表すのが、12のティッピング・ポイントだ。この危機的状況を好転させるべく、今、13番目のティッピング・ポイントが求められている。そこで、まずは、ティッピング・ポイントとは何かを知ることから始めよう。
2004年、イギリスの「ティンダール気候変動研究センター」でアドバイザーを務める、ジョン・シェルンフーバー教授は、地球温暖化にまつわる12のティッピング・ポイント(以下TP)を発表した。これら12のうち、どれかひとつでも実際に起きると、地球全体に壊滅的な状況がもたらされるといわれている。
TPとは、あるアイデアや社会的行動が、一定の敷居を越えて一気に流れ出し、瞬く間に広がる劇的瞬間のこと。言い換えるならば、ある地点を越えるともう後戻りできなくなる「臨界点」のことを指す。
現在、ほとんどの人がTPについて何も知らない。自分の子どもや孫だけでなく、何世代も先の子孫にまで関係があるというのに、私たちは、緊急を要する地球環境問題を解決するための努力を拒むばかりか、利便性の高い世の中を追い求め、将来を脅かすような行動を続けている。
人間のリスク認識を研究する科学者、アンソニー・ライセロヴィッツは05年、学術誌『Risk Analysis』で、「アメリカ人の68%が、地球温暖化の脅威は人類に向けられたものではないと思っている」と、発表した。一方、自分や家族、周囲に危機が迫っていると理解している人は、たったの13%。このような認識は非常に危険だと、彼は指摘する。なぜなら、アメリカ人の総人口は全世界のたった5%だというのに、世界の二酸化炭素排出量の約25%を占めているからだ。そして、この妄想とも言える誤解が優勢である限り、シェルンフーバーの12のTPを回避するのは不可能と言っても過言ではない。
では、地球温暖化に対する人々の無関心を、個々の責任問題であるという認識へと転換させるには、つまり13番目とも呼べるTPを引き起こすには、どうしたらいいのだろう? それがなければ、世界規模の環境破壊を回避することはできない。言い換えるならば、13番目のTPを発見できれば、自分の子どもや孫たちのために実際に行動を起こすきっかけになるだろう。
(つづく)
マザー・ジョーンズよりの翻訳
Reprinted with permission from Mother Jones magazine,
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